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ここが東京!? 知る人ぞ知る名所「南沢あじさい山」さんぽ

2018年6月19日|てらしまちはる

あじさいの名所は数あれど、こんなにもたくさんの花々が咲き誇る光景を、私はそれまでに見たことがありませんでした。

梅雨ですね。これからしばらく雨の季節です。

遊びに行けなくてつまらない? いえいえ、しとしと降る季節だからこその楽しみというのもありますよ。あじさいを見に行くなんて、どうでしょう。


斜面一面、圧巻のあじさい


あじさいの名所といえば、関東では鎌倉の明月院などが有名です。でも今日は、知る人ぞ知るとっておきの場所に足を運んでみたいと思います。


東京、あきる野市。JR五日市線・武蔵五日市駅からしばらく歩いた場所に「南沢あじさい山」はあります。


その名の通り、たくさんのあじさいが咲く山。入り口に立つと、すでに青や白の花々がちらほら見えています。入場料を払って、さっそく入山してみましょう。


たくさんのあじさいが咲く山。入り口に立つと、すでに青や白の花々がちらほら見えています。入場料を払って、さっそく入山してみましょう。

花に囲まれた小道を、ゆっくり歩きます。両脇には、大きくみずみずしいあじさいたち!
至福のさんぽです。


花に囲まれた小道を、ゆっくり歩きます。

両脇には、大きくみずみずしいあじさいたち!

至福のさんぽです。

でも、なぜこの山だけにこんなにもあじさいが……? 実は南沢あじさい山は、すべて一人の人の手で育てられたものでした。


山の持ち主、南澤忠一さんが苗を植え始めたのは、約48年も前のこと。両親の墓へと続く林道に、20株ほどを植えたのを皮切りに、毎年増やしつづけてきました。


両親の墓へと続く林道に、20株ほどを植えたのを皮切りに、毎年増やしつづけてきました。

今ではその数、なんと1万株。絶景のうわさは人づてに伝わり、これを楽しみにこの地を訪れる人も増えました。南澤さんは今年5月、めでたく米寿を迎えられたそうです。


今ではその数、なんと1万株。絶景のうわさは人づてに伝わり、これを楽しみにこの地を訪れる人も増えました。

小道をしばらく行くと、目の前が開けました。斜面一面の絶景が、そこに!


小道をしばらく行くと、目の前が開けました。

斜面一面の絶景が、そこに!

雨粒になでられた山の緑に、無数のあじさいが色とりどりにちりばめられて、それは見事です。あじさいの名所は方々にあれど、ここほどに花数が多く、野趣にあふれる場所は、他にないかもしれません。しばし時を忘れて、山間に立ち現れた幻想的な光景に見惚れます。


あじさいの名所は方々にあれど、ここほどに花数が多く、野趣にあふれる場所は、他にないかもしれません。

切り株のベンチを囲むあじさい 切り株のベンチを囲むあじさい


山清水のたまる作業場に、なにかいる……? 清水のたまる作業場に、なにかいる……?


小さなさわがにを見つけた 小さなさわがにを見つけた


あじさい山のあちこちに、素朴な木の人形が

帰り道に寄った「深沢小さな美術館」で、意外なものを発見しました。南沢あじさい山にたくさんいた、木の人形たちです。きみたちはここから来ていたのか!


あ、あの人形たち! あ、あの人形たち!


「深沢小さな美術館」の主は、造形作家・友永詔三さん。NHK人形劇「プリンプリン物語」の人形制作でも知られる方です。人形たちは彼によって手がけられた「森の妖精 Zizi(ジージ)」でした。


「深沢小さな美術館」の入り口! 「深沢小さな美術館」の入り口


近辺ではいたるところで見かけられるZiziくんたち。静かな山あいの村を、あじさいとともに見守っているかのようです。
【南沢あじさい山 HP】
http://ajisai-yama.com/



この記事を書いた人

てらしまちはる Chiharu Terashima |ライター

児童書編集を経て、フリーライター。専門分野である絵本、こどもアプリの話題を中心に、ウェブ媒体や雑誌で執筆中。2016年より始めたイタリア・ボローニャブックフェア独自取材を今年『ボローニャてくてく通信』として発表する。

ボローニャてくてく通信
・Facebook:https://www.facebook.com/bolognatektek/
(2018/3/1公開)
・公式HP:http://terashimachiharu.com/

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