3月3日は「桃の節句」ですね。ひなまつりをたのしんで、もうすぐ訪れる春をお祝いしましょう。
2018年3月1日|渡邊晃子
もうすぐ春ですね。子供も大人も楽しめるひなまつりアイテムをご紹介します。
3月3日は、女の子の成長を祝うひなまつり。桃の節句とも言われますが、平安時代に中国から伝わった“春の邪気を払う儀式”が始まりとされています。人形に厄災を移して川に流す風習と人形遊びが合わさって「流しびな」が生まれ、江戸時代になると華やかな段飾りのひな人形を飾るようになりました。
現代でも、女の子がいる家庭では、ひな壇に男女一対の内裏雛(だいりびな)を飾り、桃の花、菱餅、白酒などをお供えします。大人になってからも、女性にとってひなまつりは特別な日。そこで、今回は、おしゃれで素敵なひなまつりアイテムをご紹介します。どれも、子どもの頃とは違った形で楽しむことができますよ。
世界初の「丹後ちりめん折紙」で作る愛らしいひな人形
最初は、ひな人形を自分で折って作るたつみ印刷の「丹後ちりめん折紙 ORIBINA(京)」。約1,300年前から絹織物を生産してきた京都府京丹後地方の丹後ちりめんを使った、絹100%の珍しい折紙です。
ちりめんとは、織りの工程で細かい凹凸状の“シボ”が出る織物のこと。折紙をよく見ると、内裏雛には宝物が散りばめられた「宝尽くし文」、屏風には華やかな「遠州緞子(えんしゅうどんす)」、敷物には卍を崩して連ねた「紗綾形(さやがた)」の文様が用いられています。
さっそく、説明書を見ながら折ってみます。絹の裏には紙が貼ってあるので、普通の折紙のように折りやすい。折り方も簡単なので、ものの10分ほどで完成しました。練習用の折紙も入っているので、一発勝負に自信がない人も安心です。
屏風と敷物をセットして、内裏雛を飾ってみると本当にかわいい。ただの折紙に見えない、絹ならではの高級感があります。デザインユニット・COCHAEによるデザインも、何とも言えず素敵です。玄関や机に置けば、さり気なくひなまつりを演出してくれます。
千代箱の中に詰め込まれた小さな小さなひなまつり
お次は、かわいらしい干菓子(ひがし)が詰まった麻布青野総本舗の「千代箱 ひなまつり」。江戸時代から変わらない製法で作られ続けている香川県の讃岐和三盆糖を、型に入れて成型した干菓子です。
彩りが豊かで、四季折々のモチーフが多い干菓子。内裏雛が描かれた小さな小箱の中には、ハマグリのような形の内裏雛をはじめ、桜や桃、橘(たちばな)、菱餅など、ひなまつりにちなんだ干菓子が22個入っていました。
食べるのがもったいないと思いつつ、ひとつ取って口に入れると、砂糖の優しい甘みがふわりと広がります。お茶うけとしてはもちろん、コーヒーや紅茶の砂糖代わりに添えれば、遊びに来たお客さんに喜んでもらえそう。
また、和紙やお皿にちょこっと並べて、飾ってみてもかわいいです。テーブルの上に置いておいておけば、ちょっと口さみしい時にパクリ。なくなったら、今度は違うモチーフを飾ってというような楽しみ方もできますね。
ユニークなひなまつりワッペンは使い方いろいろ
こちらは、刺繍のワッペン「歳時記 和片 内裏雛」。紫色の男びなと朱色の女びなが華やかです。ひなまつりシリーズには、内裏雛のほかにも、三人官女、五人囃子、随身(ずいしん)、仕丁(しちょう)、犬筥(いぬばこ)のワッペンがあります。
京東都は、日本の生活文化をモチーフにした刺繍アイテムを作っている京都府の刺繍ブランド。男女の並び方が左右違うことに気付いて調べたところ、古来から変わらない京都風と西洋文化の風習にならった関東風で反対になっているそう。
さて、内裏雛のワッペンは、赤いちりめんに貼り付けて、グリーンの額縁に入れてみました。とても小さいけれど、その存在感は抜群。お部屋の雰囲気に合わせて、背景の色や素材、飾り方をじっくり考えるのも良いですね。
2枚並べても使っても良いですが、1枚づつ違うところに使っても。例えば、無地のTシャツのワンポイントにすれば、親子や夫婦、恋人同士で、ユニークなおそろいコーディネートを楽しむことができます。
ポンポンポンと連なる紙風船はお部屋のアクセントに
最後は、ひなまつり気分を盛り上げてくれそうな「紙風船 ひなかざり」です。紙風船は日本の伝統的なペーパークラフト。こちらは、新潟県にある国内唯一の紙風船工場・磯野紙風船製造所で、一つひとつ作られています。
何やら長いものの先端に、付属のストローで息を吹き込むと、「ポン、ポン、ポン」とまん丸の紙風船が次々に現れました。すべて膨らませると、紙風船は全部で11個、長さは約100cmにもなります。
膨らませてみないと分かりませんでしたが、紙風船の色も赤、青、黄、緑、ピンクととてもカラフル。ひな人形ではないですが、たくさんの雪洞(ぼんぼり)みたいでとてもかわいらしい佇まいです。
天井から吊るせば、一気にお部屋が楽しい空間になりました。人が通ったり、風が吹くと、ゆらりゆらりと揺れています。もう少し短い5連、3連の紙風船もあるので、たくさん並べて吊るしても面白いですね。
春の訪れを告げるひなまつりを楽しもう
ひな人形を飾り、縁起物の食べ物を味わって、女の子の健やかな成長を願ったひなまつり。筆者も毎年、楽しみにしていた行事のひとつです。また、ひなまつりは春の季語ともなっており、春の訪れを感じさせてくれるもの。大人になっても、子どもの時のわくわく気分を忘れずに、春を運んでくれるひなまつりを楽しみたいものです。
この記事を書いた人
渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター
フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。
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