昔ながらの美しい“ジャパン・ブルー”、自宅でできる「藍染め」に挑戦!
2016年8月24日|渡邊晃子
海外で“ジャパン・ブルー”と呼ばれている藍色。日本人にとって身近な染物である「藍染め」は、今でも半纏(はんてん)や浴衣、手ぬぐいなどに用いられています。そこで、今回は自宅でできる「藍染め」をレポート!手軽にできる方法を紹介しているので、参考にしてくださいね。
◆「藍染め」とは?
SLOW+SLOW
「藍染め」とは、植物染料の藍を用いた染物。藍は漢方薬として中国から日本に伝わり、江戸〜明治時代には、多くの人が「藍染め」の服を着ていました。防虫&抗菌効果があるとされ、肌着や蚊帳にも用いられました。現在では、化学合成したインディゴ染料を使うことが多くなっています。また、藍の濃さによって、藍白(あいじろ)、浅葱(あさぎ)、藍(あい)、紺(こん)、紫紺(しこん)など、さまざまな呼び方があります。
◆自宅で簡単!「藍染め」キット
最近では、初心者でも簡単にできる「藍染め」キットも販売されています。今回使用したのは、『紺屋藍』(販売元:SEIWA、税込1,944円)。キット内容は、藍の染料、溶解剤、色止め剤、ゴム手袋、説明書の5点。このほかに、ポリバケツ2個、新聞紙、菜箸を用意します。
◆さっそく「藍染め」をしてみましょう
1、染めるものを準備します
染められる素材は、綿、麻、シルク、レーヨン、ウールといった天然繊維。ポリエステルなどの化学繊維は染まらないので注意しましょう。今回は、Tシャツ3枚、手ぬぐい2枚を用意しました。
2、柄付けのための絞りを行います
柄をつけたい場合は、輪ゴム、割りばし、たこ糸、ビニール紐などを使って絞ります。写真は、「折り絞り」、「板締め絞り」、「根巻き絞り」、「巻き上げ絞り」など。染める前に水に浸けておきましょう。
3、藍液を作ります
藍の染料をかきまぜながら水に溶かします。さらに、溶解剤を入れてかきまぜ、20分ほど放置します。汚れてもいい衣服に、ゴム手袋とエプロンを着用して作業をしましょう(素手で作業をした筆者は、爪や皮膚が青く染まりました)。
4、染色をします
水に浸した染めるものを、3分ほど藍液に入れます。色ムラ防止のポイントは、染めるものを液から出さないこと、絞った箇所の根元まで液をしみこませること。丁寧に手でもみこみます。
5、取り出して水にくぐらせます
藍液から取り出し、水にくぐらせてから軽く絞ります。新聞紙ではさんで水分をしっかり吸い取りましょう。はじめは、黄緑色ですが、空気に触れることで深い藍色に変化していきます。
6、新聞紙の上に広げます
輪ゴムやたこ糸などで絞った箇所をはずし、新聞紙の上に広げて空気にあてます。広げる瞬間は、柄の仕上がりにドキドキ&ワクワク!
7、水&お湯洗いします
染めたものをしっかり水洗いします。色が出なくなってきたら、熱めのお湯でよく洗い、絞って広げます。
8、色止め剤に浸します
色落ちを防ぐため、水に色止め剤を溶かして、染めたものを3分ほど浸け込みます。絞ってから、乾かしましょう。
◆「藍染め」が完成しました!
こちらは、左から「板締め絞り」、「根巻き絞り」、「根巻き絞り」の応用、「巻き上げ絞り」、「折り絞り」。藍液に浸けて空気にさらす手順を繰り返すことで、濃い藍色になります。
余った藍液で、他の方法も試しました。写真は、左から、ベージュのTシャツを染めたもの、水で薄めた藍液で染めたシャツ、レーヨンのおくるみ。生地の色や藍液の濃さによって、さまざまな色味が楽しめます。
老若男女問わず、肌にしっくりと馴染む「藍染め」。「藍四十八色」という言葉通り、微妙な色の違いがあり、使うほどに色落ちする風合いも魅力の一つです。あなたも、自宅でオリジナルの“ジャパン・ブルー”を楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター
フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。
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