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食材や用途で使い分けるさまざまな日本の「おろし器」

2016年7月27日|渡邊晃子

料理において、様々な食材をすりおろす「おろし器」。一種類の「おろし器」を使う家庭がほとんどだと思いますが、実は食材や用途に応じて様々な種類やデザインがあります。今回は、日本で使われている「おろし器」をご紹介します。

「おろし器」とは?


“大矢製作所(埼玉県和光市)の純銅おろし金” 大矢製作所
<大矢製作所(埼玉県和光市)の純銅おろし金、税込2,160円〜>
職人が一つ一つ刃を立てたおろし金は、軽い力で食材をおろせる

表面にたくさんの小さな刃(突起)がある調理道具。刃の部分に食材をこすりつけて、細かくする。職人の手で刃を打ち出した銅製の“おろし金”は、江戸時代から変わらない伝統的なもの。ワサビ、ショウガ、ニンニク、柚子皮といった薬味をすりおろしたり、大根おろしを作ったりする。


食材によって異なる様々な「おろし器」


“左から、鮫皮おろし、ステンレス製、銅製、アルミ製、セラミック製のおろし金” 日経トレンディネット
<左から、鮫皮おろし、ステンレス製、銅製、アルミ製、セラミック製のおろし金>

使用する「おろし器」によって、ワサビの色や風味が変わるそう

「おろし器」には、たくさんの種類があります。銅板やステンレス板を用いた“おろし金”、ワサビをおろすための“鮫皮おろし”、大根を粗くおろす竹製の“鬼おろし”など、素材や用途も様々。刃ではなく突起がついた陶製やセラミック製の「おろし器」は、比較的安全で手入れも簡単です。


魚モチーフの“ミニおろし”が可愛い!


“工房アイザワ(新潟県燕市)のミニおろし” <工房アイザワ(新潟県燕市)のミニおろし、各税込918円>
タイの尾のハートマーク、カレイのとぼけた表情が面白い

調理道具店の工房アイザワは、様々な「おろし器」を販売していますが、その中でも魚をモチーフにした「おろし器」がとてもかわいいんです。種類は、タイ、フグ、イカ、カレイがあり、尾の部分を持ってすりおろします。ミニサイズなので、薬味をすってそのまま出せば、食卓が楽しい雰囲気になりますね。


“富士山おろし”はプレゼントにぴったり


“カネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市)の富士山おろし” カネコ小兵製陶所
<カネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市)の富士山おろし、各税込1,296円>
ワサビは緑、ショウガは黄と色を変えて使っても!

また、カネコ小兵製陶所では、美濃焼の“富士山おろし”を販売しています。富士山に見立てた「おろし器」は、青、赤、黄、緑、紫の5色。すりかけを置けるスペースもあるので、食事をしながら、すりたてを楽しむことができます。色もカラフルなので、プレゼントにぴったりです!

昔ながらの竹製品…“鬼おろし”と“竹スライサー”


“八木竹工業(鹿児島県薩摩川内市)の鬼おろし” <八木竹工業(鹿児島県薩摩川内市)の鬼おろし、税込2,160円>

“公長齋小菅(京都府京都市)の竹スライサー” <公長齋小菅(京都府京都市)の竹スライサー、税込1,512円>
鬼の歯のような見た目の“鬼おろし”は、食材を往復せずに一方向でおろすのがポイント

焼き魚や天ぷらなどの薬味として使われる大根おろし。大根は生のまま食べることで、消化を助ける働きがあるそう。竹の刃が並ぶ“鬼おろし”ですった大根は、粗く仕上がってシャキシャキの歯ごたえが美味しい!また、“竹スライサー”は、大根のツマを簡単に作ることができます。両者とも、竹製品ならではの手触りが心地よい調理道具です。


「おろし器」は、その種類によって食材の色や風味が変わる奥深い調理道具。大根おろしで言えば、力いっぱいすりおろすと辛く、優しくすりおろすと甘く仕上がるという具合に、おろし方で味に変化が出るのもおもしろいですね。

“さまざまなおろし器1”
“さまざまなおろし器2”


この記事を書いた人

渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター

フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。

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