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何気ない日々に寄りそう器たち 〜作品に込められた伊藤瞳さんの思い〜

2019年4月11日|渡邊晃子

ナチュラルな土の色味と絵柄がかわいい飯碗やコーヒーカップ。今回は、山梨県で作陶している若い女性陶芸家さんの作品をご紹介します。

全体写真1
田んぼ、ゆき、ろうそく…、日々の生活に寄り添ったモチーフが描かれた器たち。これらは、山梨県忍野村に工房を構える陶芸家・伊藤瞳さんの作品です。シンプルな弁柄色で表現されたモチーフがとってもすてき。



工房1
栃木県益子町の窯元で4年ほど修行し、その後、陶芸家・伊集院真理子さんの弟子として陶芸を学んだという伊藤さん。現在の作品は、原点ともいえる益子の土を使って作陶しているそう。



アップ写真1
また、絵柄は、彫った溝に鉄を流し入れる「線彫り」という技法で描かれています。「特別な何かではなく、誰もが見たことがある風景、身近でよく知っている風景を器に描いていきたい」という思いから、田んぼやゆきなどのモチーフが生まれました。




春夏秋冬の田んぼを表現した飯碗


飯碗1 飯碗2
こちらは、春夏秋冬の田んぼがみせる表情の移り変わりを表現した大小の飯碗。ぐるぐる模様は春に水を張ったときの波紋、つぶつぶの丸い模様は夏に生まれたカエルの卵、縦模様は秋に実った稲穂、シャープ模様は刈り取ったあとの冬をイメージしています。


飯碗3
飯碗の絵柄として生まれたという田んぼ柄は、真ん中にお米を盛りつけたら完成です。四季の田んぼに囲まれながら、味わうお米の味は格別。感謝の気持ちを込めた「いただきます」という言葉が、自然と出てくるような器です。




コーヒーカップと角皿はおもてなしに


コーヒーカップ1 コーヒーカップ2
お次は、小ぶりで女性にも使いやすいコーヒーカップ。それぞれ、ツリー、富士山、ろうそくのモチーフが描かれています。伊藤さんの作品の中で人気だという富士山柄は、鈍色(にびいろ)のストライプがかわいい。



角皿
また、小さい角皿は、コーヒーカップのソーサーとして使うこともできます。絵柄を合わせれば、お菓子を添えてお客さまへのおもてなしにも。もちろん、毎日の食卓で使う小皿としても大活躍しそうな器です。



コーヒーカップロウソク柄
筆者は、暖かくゆらぐろうそく柄がお気に入り。コーヒーを淹れて飲んでみると、飲み口がほんのりカーブしているので、とっても飲みやすい。口当たりもまろやかで、飲み物をしっかりと味わうことができます。




大きなマグカップは使いやすくて便利


マグカップ1
こちらは、400ccが入る大きめのマグカップ。それぞれ、コーヒー豆をイメージした「豆」、田んぼと奥に見える山々を表現した「点と線」という絵柄が描かれています。「点と線」を眺めていると、山々の情景が目に浮かんでくるよう。


マグカップ2
コーヒーカップに比べると、とにかく大きいマグカップですが、仕事をしているときに何度も淹れなくていいので、実はとっても便利な大きさなんです。ちびちびと飲みたい人、たくさん飲みたい人におすすめの器です。




大きい具材もたっぷり入るスープカップ


スープカップ1
田んぼ、ゆき、ツリーのモチーフが描かれたスープカップ。大きめの形なので、シチューやポトフなど具材が大きいスープもたっぷりと注ぐことができます。広口なので、サラダなどの副菜を盛りつけてもおしゃれ。



スープカップ2 スープカップ3
ゆきをモチーフにしたものは、ベランダとゆきが描かれているそう。空からふわふわと舞い落ちる雪を、暖かい部屋から眺めているような気分になれそうですね。こちらも、大きい角皿をソーサーとして使うことが可能です。


スープカップ3
また、持ち上げるタイプの器は、側面をナイフで削る面取りをして軽く仕上げています。確かに持ってみると、とても軽くて扱いやすい。持ち手には、指が沿う緩やかな溝が施されているなど、女性陶芸家さんならではの細やかな工夫がうれしい。




「何気ない日々の生活が幸せ」だと伝えたい


ピッチャー
毎日が優しい気分になれそうな伊藤さんの器ですが、「どのおうちに持って帰っても、食器棚の中にすっとなじむような器を目指しています」とのこと。場所もシーンも選ばない、ナチュラルな色味と絵柄が最大の魅力です。




富士山
器を通して、「ただただ普通の日々の生活が、一番大切で幸せ」ということを伝えていきたいという伊藤さん。目の前に雄大な富士山がそびえ立つ自然豊かな忍野村で作られた器は、ネットショップのほか、山梨県清里の萌木の村「萌木窯」で販売中です。


また、GW期間中の5月2日(木)〜3日(金)は山梨県甲府市で開催される「春のマルシェやまなし」、4日(土)〜6日(月)は栃木県益子町で開催される「益子春の陶器市」に出店予定。お近くの方は、ぜひ足を運んでみてください。

※伊藤瞳さんのブログ「うつわと暮らす」
http://hitomito.exblog.jp


この記事を書いた人

渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター

フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。

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