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日本のわら細工「しめ縄」〜繊細な造形と稲穂の香りに癒される〜

2018年12月26日|渡邊晃子

新年を迎える準備はお済みでしょうか?お正月の風景と言えば、各家々の玄関先や神棚に飾られるしめ縄です。日本各地では今でも、さまざまな趣向を凝らしたしめ縄が作られています。



お正月が近づくと、家々の玄関や門、車などに飾られるしめ縄やしめ飾り。

お正月が近づくと、家々の玄関や門、車などに飾られるしめ縄やしめ飾り。神道における神祭具としてのしめ縄には、厄や禍を払う結界の意味があり、神域と現世を隔てる結界を表しているとされています。また、各家庭では、お正月にお迎えする年神様の依り代として、しめ縄やしめ飾りを飾ることが日本の伝統行事です。


わら細工でもあるしめ縄は、稲わらの締め方によって多様な造形が作り出されます。

わら細工でもあるしめ縄は、稲わらの締め方によって多様な造形が作り出されます。神社などでよく見かける両端が細い「大根締め」をはじめ、片方だけが細い「ごぼう締め」、リース状にした「輪締め」、宝船や宝珠、米俵、鶴亀といった縁起物をモチーフにしているしめ縄もあり、その種類は地域の数だけあると言ってもいいほど。


豊作を願う稲作信仰とも結びついているしめ縄の材料には、主に刈り取って干した稲わらが使われています。

また、豊作を願う稲作信仰とも結びついているしめ縄の材料には、主に刈り取って干した稲わらが使われています。お米を収穫した後の稲わらではなく、穂が出る前の青々とした稲わらで作るので、新しいしめ縄はとってもいい香り。今回は、そんなしめ縄の中から、今のお家にも馴染むようなものをいくつか選んでみました。


宝結びとたっぷりとした稲穂が印象的


愛媛県西予市宇和町で作られている宝結びのしめ縄。

最初にご紹介するのは、愛媛県西予市宇和町で作られている宝結びのしめ縄。輪締めのしめ縄に、宝結びのしめ縄とたわわに実った稲穂が吊り下がっています。こちら、お米の種類が白米と黒米がありますが、筆者はモダンな印象の黒米を選びました。


お米農家でもあるわら細工職人・上甲清さんの手で一つひとつ作られたしめ縄は、見ていてほれぼれ。

お米農家でもあるわら細工職人・上甲清さんの手で一つひとつ作られたしめ縄は、見ていてほれぼれ。縁起の良い宝結びとタッセルのようなふさふさの稲穂が、おめでたい印象を与えてくれます。お正月だけでなく、お部屋のインテリアとしても使いたいしめ縄です。


昨年、この宝結びを玄関先に飾っていた方の話では、お正月の間にスズメが遊びにきて、たっぷりと垂れ下がったお米を全部食べてしまったそう。

昨年、この宝結びを玄関先に飾っていた方の話では、お正月の間にスズメが遊びにきて、たっぷりと垂れ下がったお米を全部食べてしまったそう。「スズメにもお年玉だと思って」と笑ってらっしゃいましたが、確かに鳥たちには魅力的なしめ縄ですね。


お家のどこにでも飾れる小さな輪締め


左から、愛知県新城の小輪締め、新潟県赤倉の小輪締め。長さ数十cmの細いしめ縄を、小さい輪に結わえて、稲わらを垂らしたしめ縄です。白い紙垂(かみしで)の形も、それぞれ違って面白い。

こちらは、左から、愛知県新城の小輪締め、新潟県赤倉の小輪締め。長さ数十cmの細いしめ縄を、小さい輪に結わえて、稲わらを垂らしたしめ縄です。白い紙垂(かみしで)の形も、それぞれ違って面白い。輪締めは、水の神様が宿るとされているので、台所やお風呂などの水回りに飾る習わしがあるそうです。


水回りのほか、お家の各部屋に飾ったり、門松や鏡もちにかけたり、さまざまな飾り方ができるのも、小輪締めならでは。

水回りのほか、お家の各部屋に飾ったり、門松や鏡もちにかけたり、さまざまな飾り方ができるのも、小輪締めならでは。大きなしめ縄にためらう方は、小輪締めのような小さいしめ縄を飾るのもおすすめです。小さくてもしめ縄はしめ縄なので、ちゃんと神様をお迎えすることができますよ。


場所を選ばないシンプルなしめ縄リース


鹿児島県で活動している工房沙弥糸のSamikoさんが制作したしめ縄リース。

お次は、鹿児島県で活動している工房沙弥糸のSamikoさんが制作したしめ縄リース。左右に垂れ下がった稲穂と紅白の水引が、華やかで軽やかな印象を与えてくれます。シンプルなデザインなので、和のお家でも洋のお家でも飾る場所を選ばないしめ縄です。


鹿児島県で活動している工房沙弥糸のSamikoさんが制作したしめ縄リース。

実は、稲穂の部分をよく見ると、お米がポンポンポンとポップコーンのように膨らんでいます。熱した油にくぐらせてはじけさせているそうで、お米が白い小花のようで可愛らしい。こちら、リースのほか、稲穂を束ねて花束のようにした稲束も制作されています。


紅白の水引と鶴亀がおめでたいしめ飾り


しめ縄に縁起物が飾られているものを、しめ飾りと呼びます。こちらは、鶴と亀をモチーフにした中川政七商店のしめ飾り。

しめ縄に縁起物が飾られているものを、しめ飾りと呼びます。こちらは、鶴と亀をモチーフにした中川政七商店のしめ飾り。縁起物の代名詞とも言える鶴と亀が、さまざまな締め方を駆使して表現されています。鶴には麦穂、亀には稲穂があしらわれており、生き生きとした躍動感が感じられるしめ飾りです。


鶴についている梅の形をした赤い水引は「日の出」、亀についている末広がりの白い水引は「富士山」を表しているそう。

鶴についている梅の形をした赤い水引は「日の出」、亀についている末広がりの白い水引は「富士山」を表しているそう。どちらもパッと見て、おめでたい印象があるので、お客様をお迎えする玄関先などにピッタリ。鶴と亀を対にして並べても、バラバラに吊るしても、好きなように飾って楽しむことができますよ。


立ち上る稲穂の香りも魅力のひとつ


山形県庄内地方の亀飾りです。亀飾りは、宮崎県高千穂や島根県出雲など、日本各地で作られているしめ飾り。一つひとつ手作りなので、ワイルドな造作がなかなか味があっていい。

最後にご紹介するのは、山形県庄内地方の亀飾りです。亀飾りは、宮崎県高千穂や島根県出雲など、日本各地で作られているしめ飾り。一つひとつ手作りなので、ワイルドな造作がなかなか味があっていい。稲わらだけで作られたしめ縄からは、稲の香りがただよい、ほんのりと心が安らぎます。


山形県庄内地方の亀飾りです。亀飾りは、宮崎県高千穂や島根県出雲など、日本各地で作られているしめ飾り。一つひとつ手作りなので、ワイルドな造作がなかなか味があっていい。

しめ縄は12月28日までに飾りましょう


ちなみに、年神様をお迎えするためのしめ縄は、12月28日までに飾るそう。29日は9が苦に通じて縁起が悪く、31日に飾るのは「一夜飾り」と言って神様に失礼だとされているのでご注意を。

ちなみに、年神様をお迎えするためのしめ縄は、12月28日までに飾るそう。29日は9が苦に通じて縁起が悪く、31日に飾るのは「一夜飾り」と言って神様に失礼だとされているのでご注意を。


す時期は、七草がゆを食べた後の1月7日、または小正月の1月15日とされていますが、地域によっては1年中飾っていることも。お正月が終わったら、お部屋に飾ってインテリアとして楽しんでも良さそうです。

外す時期は、七草がゆを食べた後の1月7日、または小正月の1月15日とされていますが、地域によっては1年中飾っていることも。お正月が終わったら、お部屋に飾ってインテリアとして楽しんでも良さそうです。


来年も良い一年になるように、お気に入りのしめ縄を準備して、新しい年を迎えてくださいね。

この記事を書いた人

渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター

フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。

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