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ああっ、昭和レトロにあらがえない! 既視感文具〈デジャブング〉の誘惑

2016年12月8日|てらしまちはる

ある日、文具コーナーを見ていたら、吸い寄せられる一角を発見! 昭和レトロな雰囲気ただよう「既視感文具(デジャブング)」って知っていますか?

文具コーナーに昭和レトロな一角


世はデジタル全盛。メモを手書きでとることも、少なくなってきました。昭和50年代生まれの筆者は、デジタルの便利さに流されつつも、ときどきちょっと物足りなさを感じるクチです。アナログな書き物が恋しくなって、ときどき友人と葉書でやりとりしたり、文章を原稿用紙に鉛筆で書いてみることもあります。

だから文具にも愛着があります。先日も何気なく文具コーナーを見ていたのですが、突如として目が吸い寄せられるコーナーを発見。昭和レトロ風な絵柄を表紙にした、何冊ものノート類や筆記具。だれもが小学生のときに使ったおなじみ文具を、ミニサイズにしたグッズの数々。

昭和レトロな既視感文具〈デジャブング〉 昭和レトロな既視感文具〈デジャブング〉

なんか昭和! レトロだけど新しい! 実はこういった昭和レトロ風文具、2015年ごろから注目され始めていたらしいのです。総称は、「既視感文具」と書いて「デジャブング」。初めて見るのに懐かしい、独特の感覚を、絶妙にあらわした言葉です。

さしあたって必要はないんだけれど、衝動的にほしくなってしまうアイテムが多すぎる……。欲望のままに手にとった商品を、ここでご紹介していきたいと思います。


既視感文具かってに4選


●復刻グラフ箋


復刻グラフ箋(ロフト/オキナ) 復刻グラフ箋(ロフト/オキナ)

表紙の新幹線の絵が、丸い鼻の「0系」というのがニクい。0系は昭和39年の東海道新幹線開業から、数年前の引退まで現役を続けた型。ただの文具の表紙だけれど、いまは昔、高度経済成長期の高揚感すら感じとることができます。

スクラップにも使える スクラップにも使える

実直なマス目で使いやすい 実直なマス目で使いやすい

表紙では電車のダイヤが描かれていますが、大人が日常使いするなら色々なアイデアがありそうです。筆者なら、お手軽スクラップブックの台紙にするかも。雑誌の切り抜きを貼付けて、下に文字を書き込むのに、細かなマス目を重宝しそうです。料理やファッションのスクラップを作るの、一見面倒ですが、ハマると夜な夜なやってしまうんですよね……。


●ノート「りか」「さんすう」


ノート「りか」「さんすう」(ロフト/キョクトウ) ノート「りか」「さんすう」(ロフト/キョクトウ)

昭和20〜30年代の絵雑誌を彷彿とさせるタッチの絵だなあと思っていたら、それもそのはず。昭和30年代に実際に販売されていた商品の表紙を、そのまま転用しているそうです。

中面は大人が使いやすい無地 中面は大人が使いやすい無地

文具会社「キョクトウ」の社内にあった当時の商品の表紙をスキャンし、ぼろぼろになっている部分をデジタル修正したとは該当社の談。ということは、絵柄自体は本物の「昭和」なんですね。現代のイラストレーターが昭和っぽく描いた絵とは、一線を画す雰囲気です。だから、よけいに懐かしいのでしょう。

ちなみに、昔の商品では中ページはマス付きだったそうですが、現在は大人に使ってほしいと、復刻時に無地ノートになりました。


●サクラクレパス18色「フレッシュ・テニス」


サクラクレパス18色「フレッシュ・テニス」(サクラクレパス) サクラクレパス18色「フレッシュ・テニス」(サクラクレパス)

こちらは美少女イラストもの。昔、いとこのお姉さんの食器に、こういう絵が描いてあって、憧れだったなあ……。そして個人的に、クレヨンという文具も大好きです。

「THE・昭和の美少女画」なパッケージ 「THE・昭和の美少女画」なパッケージ


一時期、クレヨン類のとりこになって、海外商品もいくつか試した時期がありました。けれど結局、サクラクレパスが一番描きやすかったんですよね。

紙の上でぬるぬる滑るから、ちょうどよい湿り気が感じられて、とても使いやすいです。日本の技術力はこんな細かなところでもすばらしいなと、ひそかに驚いたのはいい思い出だなあ。


●よいこのおどうぐばこ


よいこのおどうぐばこ(左、デビカ)。葉書がぴったり入る小サイズ よいこのおどうぐばこ(左、デビカ)。葉書がぴったり入る小サイズ

ずばり、小学生のとき使っていたもののミニチュア版です。昔はこれに、牛乳のフタやら何やら、パンパンに詰めてました(笑)。

この小ささなので、自宅では絵葉書の収納に使っています。ほかにもサイズがいくつかあるので、コレクションしがちだけど収納場所に困るたぐいのものを、すっきり片づけるのに最適です。一筆箋、シール、マスキングテープなどなど。

お菓子の紙箱よりも硬くて丈夫です。触り心地に充実感があるような気もします。



ふと気づけば選びきれなくて、結局全部買うことに。うれしい既視感が、しばらく日々を彩ってくれそうです。


この記事を書いた人

てらしまちはる Chiharu Terashima |ライター

児童書編集を経て、フリーライター。専門分野である絵本、こどもアプリの話題を中心に、ウェブ媒体や雑誌で執筆中。2016年より始めたイタリア・ボローニャブックフェア独自取材を今年『ボローニャてくてく通信』として発表する。

ボローニャてくてく通信
・Facebook:https://www.facebook.com/bolognatektek/
(2018/3/1公開)
・公式HP:http://terashimachiharu.com/

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