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昔ながらの郷土玩具「張り子」〜身近な材料で作ってみよう!〜

2016年10月5日|渡邊晃子

招き猫、だるま、赤べこ、起き上がりこぼしなど、かわいらしい日本の郷土玩具。素朴な風合いが魅力的なこれらは、すべて「張り子」でできています。 その製法は、“型に紙を貼り重ね、乾燥後に彩色する”といたってシンプル。そこで、今回は、自宅でできる「張り子」のお面作りに挑戦しました!

◆「張り子」とは?


“張り子”
東北STANDARD
「張り子」とは、型に和紙を貼り重ね、立体的に成形したもの。日本全土には、さまざまな人形やお面があり、福島県の三春張り子、静岡県の浜松張り子などが有名です。また、青森ねぶた祭りの山車も「張り子」で作られています。


◆「張り子」のお面を作ってみましょう


1.材料を用意します

“材料” 材料は、自宅にあるものや、100円ショップなどでお手軽に揃います。

〜自宅で作る「張り子」の材料〜
・紙粘土
・習字紙
・新聞紙
・でんぷんのり
・刷毛
・アクリル絵の具



2.型を作ります

“型作り”
丸めた新聞紙の上に、紙粘土をかぶせて成形します。今回は、狐のお面を製作するため、耳や鼻先も立体的に作っていきます。

仕上げに、水で濡らした手で整えれば、滑らかな表面になります。しっかり乾燥させたら、型の完成です。


3.紙を貼り付けていきます

“紙貼り1” 乾燥後に型からはがしやすくするため、ラップを巻くか、もしくはサラダ油を塗布します。

“紙貼り2” 手でちぎった習字紙と新聞紙、水で薄めたでんぷんのりを用意します。刷毛でのりを塗りながら、習字紙を貼り付けていきます。


4.繰り返し、紙を貼り付けていきます

“紙貼り3” 習字紙を全面に貼ったら、補強のための新聞紙を貼り付けていきます。乾燥させたら、再び習字紙を7〜10層ほど貼り重ねます。

刷毛でのりを塗りながら、貼り付けるのがポイントです。根気のいる作業ですが、まんべんなく貼り付けていきましょう。


5.乾燥させます

“乾燥” 貼り終わったら、十分に乾燥させます。天気の良い日であれば一日で乾きますが、ドライヤーで乾かしても可。


6.型から外して形を整えます

“型外し” ゆっくりと型から外します。内面もしっかり乾燥させましょう。フチを内側に折り込み、形を整えます。


7.水で薄めた紙粘土を塗ります

“仕上げ塗り” 余った紙粘土を水で薄め、全体に塗り固めていきます。乾かしながら、何層か塗り、表面の凹凸を滑らかにします。本来の材料である“胡粉”を使えば、より一層美しく仕上がります。


8.色を塗って完成です

“彩色1” アクリル絵の具を使って彩色していきます。今回はスタンダードな狐のデザインを描きました。自分だけのオリジナルなので、自由なデザインで楽しんで!

“彩色3”
“彩色4”
狐の面の張り子が完成しました。
“狐の張り子1”
“狐の張り子2”

◆作業が面倒な人は…


おもしろ張り子キット(ホルベイン工業)

「もっと手軽に張り子を体験したい!」という人は、キットを使っても。無地の「張り子」とアクリル絵の具のセットなので、気軽に「張り子」作りに挑戦できます。

大量生産とは違う、手作りの温かみをもった「張り子」。身近にある材料でできる「張り子」作りを、みなさんも楽しんでみてくださいね。


この記事を書いた人

渡邊晃子 Akiko Watanabe |ライター

フリーのライター、インタビュアー、フォトグラファーとして活動。 主に芸能記事を手掛ける。現在は、自然豊かな熊本で子育て中。 国内外の古くて変わったモノが好き。

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